中学生・高校生の悩み

不登校の中学生に親がすべき関わり方とは

「今日は学校に行きたくない・・・。」

ある朝、子どもの口から突然発せられる言葉。
親として、子どもからこんな言葉を聞いたら慌ててしまったりすることもあるかもしれませんね。

こんなときはどうしたらいいのでしょうか。

文科省発行の
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題によると

平成29年度の中学校への不登校生徒は3・25%となり、30人にひとりの割合の生徒が不登校であると発表されました。

このように、現代はクラスの1人以上が不登校である時代。
中学生の不登校が起こることは、珍しくないのです。

講座の生徒さんからの話を聞いていても、中学生のいるご家庭で
「今日、学校に行きたくない・・・。」
と言われることも多いようです。

この言葉を聞いたとき、親としてどんな気持ちになりますか?

そして
この言葉を言った子どもにどんな対応をしていますか?

ここでは不登校の中学生の心理と親のすべき対応を 怒りんぼかーさん(通称:オコママ)と一緒に探っていきましょう。

中学生が不登校になる理由

中学生になる頃の時期は

まず
学校が変わり、教科担任制になり、算数が数学に変わったり、部活が始まるなどの環境も変化します。

そして
思春期と呼ばれるこの時期は、身体にも心にも大きな変化が起こるときです。

また、子ども自身の視野が広がることで

  • 自分がどう見られているかなど、自分に対する疑問
  • 周りの人や人間関係作りに対する不安
  • 世の中の仕組みや道理についての疑問
  • 親や教師に対する客観的視点からの疑問
  • 将来への漠然とした不安

などを感じやすくなる時期でもあります。

つまり、中学生になる頃の時期は、「環境」「心」「身体」「意識」が大きく変化する時期なのです。

いじめや体罰などの明確な原因があるという以外にも、漠然とした疑問や不安から学校へ通う気持ちになれないこともあるようです。

オコママ
オコママ
私たちが中学生の頃にも同じような変化や不安もあったと思いますが、学校に行くのは当たり前だと思っていましたよ。
やまだともこ
やまだともこ
そうですね。私自身も当たり前だと感じていました。

インターネットなどの普及で情報が多く手に入る現代では、子どもたちの間に不登校の選択肢があるという認知が広まっていることも理由のひとつかもしれません。

「学校に行きたくない」と言われたら

中学生の子どもに「今日は学校に行きたくない」と言われたら、どうしていますか?

オコママ
オコママ
体調が悪いのでなければ「何言ってるの!行きなさい!」と言っています。

様子がおかしければ「何かあったの?」と聞いたりはしますけど・・・。

やまだともこ
やまだともこ
そうですよね。
親としては子どもが学校に行っている方が安心だし、本当に行けない理由があるならそれを聞きたいですよね。
やまだともこ
やまだともこ
では、子どもの立場になって考えてみてください。
「学校に行きたくない」と言うときの気持ちはどうですか?

そのあとで「何言ってるの!行きなさい!」と言われたときには、どう感じるでしょうか?

オコママ
オコママ
あ、、、。そうですね。
「行きたくない」と言うときは、すこし勇気を出している感じ。

「行きなさい」と言われると、がっかりしたような、悲しいような気持ちになりますね。

せっかく勇気を出して言葉にしてみたのに、突然否定されるのは悲しいものですね。

まずはその、
子どもが言いづらい言葉も言える親子関係を作れていることに気づいてください。

それに気が付いたら、
「そっか。行きたくないんだね。」
と、言葉にしてみてください。

その行動や言葉が、いいとか悪いとかは考えず、子どもの気持ちを受けとめましょう。
まずは「この子はそう思ってるんだ」と認める気持ちをもって接することが大切です。

そんなふうに子どもの気持ちを受け止めたあとで

「どうしたの?」
「なにがあったの?」

と、落ち着いて聞いてみてください。

理由があって、子どもが相談したいと思っている場合は、ここで話ができるはずです。

理由がある場合

いじめや体罰など、明らかに問題のある場合は、その解決に努めたり、その学校へ通い続けること自体を考え直してみる必要があります。
家庭だけで結果を出そうとせず、学校や専門機関へ相談しましょう。

そして
一見、親から見て「その程度のこと・・・」と思う場合でも、本人にとっては深刻な問題かもしれません。

「そのくらいのことで、なんで行けないのよ。」
と、さらに原因を追及するような質問をしても、子どもの口からは言い訳に聞こえる言葉が出てきてしまうことでしょう。

それよりも
「そうなのね。それが、どうだったら行ける?」
行ける方法を探るように促してみましょう。

理由がない場合

思春期の中学生は先にお話しした通り、漠然とした不安や疑問から
自分でもよくわからないけれど、行きたくない。行けない。
という状態になることがあります。

この場合は
原因を聞いても、行ける方法を探ってもうまく答えが出ないことが多いので、少し心と身体を休ませてみることも大切です。

また、起立性調節障害(OD)などの神経系の病気の可能性もありますので、病院を頼ってみることも選択肢のひとつです。

この場合も
中学生の子どもが理由を表現できないのにも関わらず、「行きたくない」という言葉を言える親子関係があることに気づきましょう。

それは、不登校力かもしれません

親にとっては学校に通うことが当たり前であるならば、自分の子どもが不登校になったとときに、不安や心配を感じることも当然です。

では、どうして心配なのでしょうか。

オコママ
オコママ
みんなが学校に行ってるのに、うちの子だけ行かないなんておかしいですよね。
学校の友だちに変な目で見られないかとか、高校や大学にに進学できるのかとか、大人になってからもきちんと働けるのかとか、いろいろ考えちゃいます。
やまだともこ
やまだともこ
そうですよね。
みんなが当たり前にやっていることだし、ママも学校に通って大人になったんですもんね。

では、ここで提案です。

不登校になっている中学生は、不登校を選んでいる力がある。

不登校力

があるのだ。と、捉えてみませんか?

オコママ
オコママ
え?不登校力?不登校って、諦めてやる気がない状態のことですよね?
そんなものに力なんて必要ですか?
やまだともこ
やまだともこ
そうですよね。
みんなが当たり前に登校しているのに、ひとりだけそれを諦めているようにも見えますね。

しかし、ここには別の考え方もあるのです。

みんなが同じことをしている状況で、ひとりだけ違うことをする。

これには勇気が必要だとは思いませんか?

小学校に6年間通い続けた中学生ですから
「学校には、行くものだ。」
「学校には、行かなけばいけない。」とは
感じているはずなのです。

その中で「行かない」という選択をしようとしている状況なのです。

親にその気持ちを打ち明ける勇気や、学校に行かないことを行動に起こす力を持っていると捉えてみてください。

あなたのお子さんは、自分の意見を表現して行動に移せる【不登校力】を持っているのかもしれません。

不登校の中学生に対して親がすべきこと

オコママ
オコママ
それって子どもが休みたいって言ったら、子どもの言いなりになるのがいいと言ってるんですか?

中学生に教育を受けさせる親の義務を放棄しろと言っているんですか?

やまだともこ
やまだともこ
わ!
そう思わせてしまいましたか!!
そういうわけではないのです!!

法律で定められているとおり、保護者には「子女に普通教育を受けさせる義務」があります。

とはいえ
1日休んだくらいでは、その義務を放棄したことにはなりません。
そして、1日休めば子どもが学校に行こうと思える状況になることも多々あります。

まずは1日休んだことが理由で、欠席が続くことを不安に思わず
「今日休んだら、明日は行けそう?」と聞いてみましょう。

その質問があることで
子どもが気持ちを切り替えるための1日にしようとするかもしれませんね。

もしも子どもが
「行けないと思う。」
「わからない。」
などと答えた場合、そのまま
「そっか。行けない気がするんだね。」
「そうだね。わからないよね。」
と、子どもの言葉を繰り返して、その気持ちを受け止めましょう。

しかし、休む期間がそのまま続いたら、、、
1か月になったら?3か月になったら?1年になったら?
・・・と想像してしまって「子女に普通教育を受けさせる義務」を果たせなくなると不安になりますか?

文科省は2016年に不登校の子どもたちの支援を進めることを目的にした
「教育機会確保法」という法律を施行しました。

これは、
「学校を休んでもよい」ということや
教育支援センターやフリースクール等の施設を利用などを含めた「学校以外の場の重要性」を認めた法律です。

Q.「休んでもよい」というのはどういうことですか?

A.学校に行くのが100%正解ではないということを、法律が認めたということです。
「不登校は誰にでも起こり得る」にも関わらず、「学校に行くのが普通の子ども」で「不登校になるのは特殊な子ども」という偏見がまだまだあります。不登校ではない子どもでも、無理に学校に行くことでかえって元気がなくなったり、中には学校に行こうとするとお腹が痛いなど具合が悪くなったりする場合があります。不登校の子どもたちの中には、学校に行かなければと自分を追い込んでしまう場合があります。そんな状況でも保護者は、なかなか休ませると言い出しにくかったのを、法律を根拠に堂々と「しばらく休ませる」と学校に言えるわけです。そして、休ませることを勧めにくかった先生にしても、「休むことを受け入れやすくなる」効果があります。子どもも保護者も状況によっては何もせずに休むことを認めることで自分を否定しなくてもいい、自己肯定感につながります。

Q.そうなると、居場所としては、フリースクールなどの「学校以外の場」が重要になるわけですね?

A.その通りです。学びの場は、なにも学校に限ったわけではないということです。フリースクールに通うこともそうですし、海外では家庭で親が勉強を教えることを義務教育の一環として認めている国もあります。さらに教育機会確保法は、自治体とフリースクールの連携も求めています。休むことを認める以上は、居場所としてのフリースクールが活動しやすいように行政がどのような支援が必要なのかを共に考えるのは当然のことでしょう。

学校に通うのは誰なのかを理解する

中学生くらいの年齢になれば、ある程度の自分の行動は自分で決められる力を持っており、その力を伸ばすことが自立につながります。

自分には学校には行きたくないと思っているのに
親のいう言葉を聞き、学校のいう通りにして学校に通う中学生が自立に向かっていると感じられるでしょうか。

学校に通うのは、子どもです。

まずは、短い期間で構いません。
その行動の選択権と責任を子どもに持たせてみることも必要です。

どうなったら安心するのかを考える

オコママ
オコママ
そんなことは言っても、休んだらゴロゴロしているばかりだし、1日中ゲームをしている状態なのは許せません。
やまだともこ
やまだともこ
確かに、そうですよね。

では、中学生の子どもが不登校を選択し、その選択を尊重することにしたとき、親のすべきことは何でしょうか。

自分の子どもが不登校になると不安ですね。

しかし、世の中には中学生の時代を不登校で過ごしていた人でも、シアワセになっていたり成功したりしているケースはたくさんあるのも事実です。

そんな中学生に対して、親ができることを考えてみましょう。

不安を解消できる可能性を探す

中学生が不登校を選択したとき、不安なのは親だけではありません。
本当に一番不安を感じているのは本人です。

その不安な気持ちを受け止めた上で、前向きになれるような接し方をしましょう。

例えば、子どもに対して

学校に行かなかったとしても、何があれば安心する?

と聞いてみましょう。

そして、親自身も子どもが不登校になったとしても「こうだったら安心できるかもしれない」というポイントを考えてみましょう。

オコママ
オコママ
ゲームをするのではなく、自分で勉強できるなら安心かもしれません。

あとは自分のやりたいことを見つけて、集中していたりとか
ボランティア活動とかに積極的に参加しているのもいいですね。

やまだともこ
やまだともこ
いいですね!!
自分の視野や可能性を広げる行動をしている状態ということですよね?

「学校に行かない」「不登校」という言葉ばかりを使っていると、何かの行動にはつながりにくいもの。

するべき行動が決まらない子どもは、ゴロゴロして過ごすことや、テレビやゲームなどの安易でストレスのかかりにくい方法で時間を使ってしまいがちです。

つまりこれは
学校を休むことを決めたとしても、その次の行動をまだ決めていないことが原因。
子ども自身が何をしたらよいのかがわかっていないのです。

そんな子どもに対しては、こんな働きかけをしてみましょう。

何をするのかを決めさせる

子どもが不安を解消できる可能性を見つけたら、さらに聞いてみましょう。

じゃぁ、学校を休んで、今日は何をしようか?

すぐに大きな行動を起こす必要はありません。
まずは身体や心を休めたり、未来のことについて考えたりすることでもよいと思います。

気分転換に映画を観たり、スポーツをしたりすることでもいいかもしれません。

子どもの中では、学校は行けないけれど、勉強はしておきたい。塾には行きたい。という気持ちもあるかもしれません。

すでに明確に夢中になれることを わかっていることもあります。

これ決めれば、ゴロゴロすることや、ゲームをやり続けることが学校を休むことの目的ではないということがわかるはずです。

選択肢を与える

行動を自分で決めるとはいえ、まだ中学生。
自分では決められないこともありますし、知らない世界も広くあります。

不登校の子がどんな生活をしているのかを一緒に調べ、選択肢を与えてあげることも必要です。

親も一緒になってフリースクール等の存在や情報、ボランティアの調べ方なども一緒に探してみるのもいいですね。

家庭を安心できる雰囲気にする

不登校であることの不安が親にあると、怒ってでも怒鳴ってでも家から外に出そうと思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし
それでは子どもの安心できる場所がなくなってしまいます。

子どもにとって、家庭を安心できる雰囲気にすることこそが
学校や他人では絶対にできない、親だけができることなのです

親も子どもも
穏やかに笑って過ごせる雰囲気を作るように努めましょう。

不登校をチャンスと捉える

子どもの不登校はチャンスです!

親が思っていた「あたりまえに学校に行くこと」を子どもが選択しないという機会があることで、親自身にもまた、今まで知らなかった考え方や世界、生き方が見えてきます。

これは、視野や世界を広げるチャンス!

子どもが興味を持てる分野や集中できることを探せるチャンスであり、中学校以外の活動場所やコミュニティを見つけるチャンスです。

当たり前の枠にとらわれず、自分と子どもの可能性を広げていきましょう。

まとめ

不登校の中学生に対して親がすべきことをまとめると

  1. 行きたくない気持ちを受け止める
  2. 行ける方法を探してみる
  3. 不安を解消できる可能性を考える
  4. 学校に行かない代わりに何をするのかを決めさせる
  5. 子どもの気づいていない選択肢を与える
  6. 家庭を安心できる雰囲気にする

です。

いかがでしたでしょうか。

不登校は不幸なことではありませんし、選択肢が多くなっている現代では、自分が違和感を感じたときに別の選択肢を探そうとする力や、自分の意思をもって選ぶ力の方がずっと大切です。

学校に行くことも行かないことも
自分の意志で決められる子どもに成長していく姿を応援できる親でいたいものですね。

 
 

ママが行動を変えなければ変化は起こりません。

ママが行動を起こすから、子どもが変化するのです。

 

小さなことからやってみてください。

おまけ

実は、筆者自身の中1の長女が不登校です。

小学校6年間は欠席もほとんどなく優等生的な存在だった彼女は、自身の第一志望の中学へ入学したにも関わらず、2か月ほどで理由もわからないまま学校へ通えなくなりました。

担任のあたたかいサポートもあり、夕方から学校へ行く放課後登校等を活用し、夏休みには中高生の起業を目的としたサマースクールへ参加。

彼女は自身のことを「明るい不登校」と表現しており、現在はN中等部への入学の選択肢を検討中です。

彼女の不登校への行動は彼女自身の人生の可能性を広げ、親の私の世界をも広げてくれています。

 
 

この接し方は親がコーチングの技術を身に付けて子育てに取り入れることで実現します。

コーチングを子育てに取り入れて自己肯定感を上げる3つのポイントコーチングのことを「質問をする技術」だと思っていませんか?実は、コーチングには質問よりも前に大切な3つのポイントがあります。これを守ることで、子どもの自己肯定感もやる気も上がり、親子関係も良くなっていくのです。コーチングを子育てに取り入れるとはどういうことなのかを一緒に探っていきましょう。...
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やまだともこ(元・怒りんぼかーさん)
やまだともこ(元・怒りんぼかーさん)
中1長女・小5長男・小3次女の3人の子育て中の母親。 自身が子育てにイライラした経験から、コーチングを子育てに取り入れたプレシャス・マミーコーチ養成トレーナーとして子育てがラクになる講座を東京・神奈川・Zoom(オンライン)で日々開催。 子育ての悩みを解決する読者3,000人超のメルマガも発行中。 https://joyfullifedesign.jp/shukudai7/